看護師が気を付けるべきシャントの管理

シャントとは、血液透析をする患者さんの身体に溜まった老廃物を取り除くため、必要な血流量を確保するために動脈と静脈を縫い合わせてつないだ太い血管のことです。シャントには、チューブを腕の動脈と静脈に挿入して、体外に出ているチューブによって増設する外シャントと、皮膚の下で手術によって動脈と静脈を縫い合わせて増設する内シャントがあります。外シャントは血液が固まりやすく感染症のリスクが高いので、今では主に内シャントが使われます。

透析室の看護師は、このシャントの管理や観察も担当します。合併症などを引き起こすケースもあるため、こまめに観察して異常が無いかを確かめます。またシャント部分に触ると、スリルという血流の振動を感じることが出来ます。触るだけではなく、音も、異常を発見するうえでは大事なチェック項目となります。

また、シャントの周辺が熱をもっていないか、痛みを訴えていないか、傷が無いかなどの確認もします。動脈と静脈を手術で結合させたデリケートな部分であるため、患者さん自身、日常生活における活動制限が設けられています。たとえば、シャントがある腕で腕枕や腕時計をしたり、重い荷物を持ったりしないように注意喚起がされています。どこかにぶつけたり、血圧計などで圧迫するようなことも危険な行為になります。

シャントが詰まってしまえば、命綱ともいえる人工透析ができなくなってしまいます。患者さんの安全な生活を守るため、指導と観察を行い、細やかに気を配る必要があるのです。