病院の人工透析科や透析専門のクリニックにやってくる患者さんは、通院で週に3回ほど透析を行うのが一般的です。そのため、病棟勤務の看護師のような夜勤はなく、緊急事態でバタバタするようなことも少ないため、比較的身体的負担が少なく、ワークライフバランスも取りやすいというメリットがあります。
そんな透析室看護師に求められるのが、透析に関する専門知識です。透析を必要とする患者さんは、人が持てる治癒力で完治することはありません。腎臓移植をしない限りは、生涯にわたり通院を続けなければならなくなります。患者さんの中には、もう何年、何十年と透析を受けている方もいます。そのため、新人看護師よりも、患者さんの方が太刀打ちできないくらい透析に関する知識を持っている場合はよくあります。そんな現場で信頼される看護師になるためには、当然ながら透析に関する深く広い知識が求められてきます。
透析室では、穿刺、透析中の観察、回収といった作業を決められた手順で仕事を行うことになります。ひたすら同じことの繰り返しとなります。よって、ルーティンワークをコツコツこなす能力も求められます。毎日、同じ業務でマンネリ化し、飽きてしまうデメリットがある一方、イレギュラーが発生しにくく、突発的なストレスがかかりにくいという点はメリットといえます。
透析治療の中では、コミュニケーションスキルも大切になってきます。透析を続ける患者さんとは長い付き合いになるため、1人1人とじっくり関わることになります。何度も顔を合わせることになるため、親しくなりやすいでしょう。しかし、そんな患者さんは一生食事や水分量などを管理しなければならず、少なからずストレスを抱えています。時には、そうしたストレスの矛先を看護師に向けてくる場合もあります。そのため、患者さんのイライラや不満を汲み取り、適切に声掛けやアドバイスができるスキルを磨く必要が出てくるでしょう。